懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
子どもができて、その子と里帆を守っていくと言われた時点でプロポーズも同然。こうして改めて言ってもらえるとは思ってもみなかった。
「……はい」
声を震わせながら、ようやく答えた。
立ち上がった亮介が里帆の薬指にリングをはめる。美しいウェーブラインの真ん中にはダイヤモンドが光り輝いていた。
「亮介さん、ありがとう」
その言葉しか見つからない。
「里帆はもう俺のもの」
亮介が里帆を引き寄せ額にキスを落とす。
「里帆を抱きたいんだけど」
唇は額から離れたものの至近距離に変わりはない。すぐそばから見つめる眼差しが熱くて、トクンと鼓動が揺れる。
「里帆がそんな気分になれないなら、ここでやめておく」
「……亮介さんは、その気になれるんですか?」