懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
隣からふっと息が漏れたのが聞こえて、決まりが悪い。きっとなにを意識しているんだと思われただろう。
「そのアプリはパソコンとも同期がとれるから、どちらで見ても常に最新になる」
「そ、そうなんですね。では今後はこれで確認させていただきます」
「なるべく口頭でも立川さんに伝えるようにするよ」
「よろしくお願いします」
スマートフォンを持ったまま頭を下げる。
「ただ前もって言っておくけど、いつものペースでつい忘れることもあると思うから、そのときはよろしく」
亮介はそう言い、持参していたタブレットを取り出した。
横目でチラッと見ると、どこかの店舗のサイトのようだ。マリオスターでないところをみると今向かっている商業施設なのかもしれない。早速下調べといったところだろう。
亮介は真剣な様子でタブレットに見入った。