たとえば、こんな人生も
「?ひなた、顔赤いけど大丈夫?」

しゃがみこんで私の額に手を伸ばす美冬ちゃん

アリサ姉さんから離れて
今度は美冬ちゃんに抱きつく


「美冬ちゃんもすき」

「…」


美冬ちゃんは目を丸くして一瞬固まった

それからおもむろに
ポケットからスマホを取り出して


「はい。ひなた、今のもう一回」

「美冬ちゃんすき~」


カメラを起動すると、それを私に向けて
カシャカシャカシャカシャと大連写


「はい。次は動画ね
『美冬ちゃんが一番大好き』でよろしく」

「あっあっ美冬ずるいっ
私にも後で送って!」


「なに騒いでるの。ふたりとも」


なかなかふたりが戻ってこないからか
様子を見にきた感じのシュカさんが現れて


「ひなた?どうしたの。顔、真っ赤よ
のぼせたの?」

「ふわふわ~ってしてます」

「ふわふわ?
……あらあら、どうやら原因はそれみたいね」

「あれ、これ美冬の持ってきたお酒…?」


カウンターに置きっぱなしの瓶を
手に取ってアリサ姉さんが目を丸くする


「ジュースと間違えたのかな
これ、ラベルが紛らわしいから」


「シュカさんにもぎゅ~」

「あらあら。可愛いけど困ったわね」


抱きつく私の背中をなだめるように撫でながら
シュカさんは言葉通り
困ったような表情を浮かべる
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