たとえば、こんな人生も
「…いつきさんもすき」

「…」


ふわふわした意識のまま
にへら~っと締まりなく笑いかければ
いつきさんは一瞬、目を見開いて


「だいすきですよ~」

「…うん。ありがとう
ほら、行くよ」


どうしてか少し困ったように微笑みながら
そのまま私の部屋に向かった



――……



「はい。着いたよ
ひなたちゃん、ちゃんとベッドに横になって」

「やだ」


私をベッドの上に降ろそうとしたいつきさん
離れるのが嫌で
がっしりとしがみついて拒否する


「このままがいい」

「でも、ひなたちゃん眠いでしょ?」

「ねむくない」

「ひなたちゃん」

「やっ
いつきさんといっしょがいいのっ」

「…」


ぎゅ~っといつきさんの首に腕を回して
嫌々と首を振れば
いつきさんは深くため息をついて

そのまま諦めたように
ベッド脇のソファーに座った


「少しだけね」

「……ほんと?」

「うん」

「えへへ~」


むくれていたけど
わがままを聞き入れてもらえて
機嫌が良くなった私はにこにこ笑いながら
いつきさんを見上げる

そんな私にいつきさんは苦笑を浮かべてる
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