元カレと再恋愛ってありですか？
電話を切ってから紗那は大きく深呼吸をして再び仕事に打ち込んだ。

「あー！」
空っぽのフロアに響くような声を出しながら大きくあくびをした紗那。
ふと時計に目を向けると夜の11時半。終電まで間に合ったとほっとしながら携帯電話を見た。
奏介からの連絡はまだない。

紗那は帰り支度をすると、奏介のいるGREENに向かった。

レストランの入り口からそっと中に入る。
「こんばんは」
紗那と奏介が付き合っていることをGREENのスタッフはすでに知っている。
こうして夜に紗那がGREENを訪ねることも多かった。

REDの建築はWHITEよりも先に進んでいて、すでに内装の工事も始まっている。
REDの件でも打ち合わせに良くきていた紗那をスタッフはよく知っていた。

でもさすがに深夜を回っている時間。スタッフの姿が見えず、紗那は客席側から、明かりがついているキッチンの方へ向かった。
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