上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
その日の15時頃。雑用を終えて席にもどると、机の上にカフェオレの缶が置かれていた。その裏に隠すように〝ごめん〟って付箋が貼ってあって、少しだけ温かい気持ちになった。
空席になっている、三上さんの先を見つめる。
もどってきたら、ちゃんとお礼を伝えよう。



「三上さん、これ、ありがとうございます」

カフェ俺の缶を持ち上げて見せると、少しだけ照れ臭そうに、髪をわしゃわしゃする三上さん。

「ああ」

ここ数日のやり取りで、三上さんが本当は繊細で優しい人だってわかっている。さっきの悪ふざけは、気にしないことにしよう。

「もう、気にしていませんから」

照れた笑みを浮かべる三上さん。
それがちょっとだけ可愛く見えてしまった。
……って、可愛いって……
自分の感情に理解が追いつかない。
だめだ。最近、三上さんに近付きすぎてる。そのせいで、自分でも思ってもみなかった感情が、時折顔を出してる気がする。

〝ここは会社だ。ここは会社だ〟

なぜか、心の中で必死に言い聞かせてしまった。



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