上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
今日も定時で上がって、今度は恵さんに電話をかけた。

「しおり?元気にやってる?」

「うん。ごめんね、なかなか連絡してなくて」

「哲平が、今にも乗り込んで行きそうな勢いだよ」

「明日香からも聞いた。でね、今週末は明日香の都合が悪いから、来週末、2人でそっちに帰ろうと思う。土曜の昼までには着くようにするね」

「ん、わかった。じいとばあも喜ぶわ。しおりは唯一の孫だからさ」

「私も、おじいちゃんとおばあちゃんに会いたい。2人にも、ずっと会ってなかったから。じゃあ、哲平さんにも伝えておいてね」

「了解。待ってるからね」

よし、穏便に済ませられた。

決して、会いたくないわけじゃない。でも、だんだん実家から足が遠のきつつあるのは事実で……
こうして話してみると、申し訳なくも思う。

早速、明日香にメールで報告すると、『了解。楽しみにしてるわ』と返ってきた。
もう……この子は本当にいい子だわ。
明日香に出会えたことを、心から感謝した。




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