上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
それから話題も変わり、思いの外楽しい時間をすごせて、いつになく充実感を味わっていた。

「「三上さん、ごちそうさまです」」

「おう、また来ような」

三上さんは上司風を吹かせながら、こちらが申し訳なさを感じないように奢ってくれた。

「2人とも、タクシーで送って行くよ。ここからだと……川北さんが先かな?」

「ああ、大丈夫ですよ。今日、私、すぐ近くに住んでる友達のマンションに、泊まらせてもらうことになってるんで。失恋話で、もう少し飲んできますよ」

本当は、辛い想いも残っているのかもしれない。だけど、川北さんはどこまでも陽気に去っていった。

「よし。じゃあ、羽場ちゃんは送って行くよ」

「大丈夫ですよ。まだそんなに遅くないですし」

「だめだ!酔っ払ってる可愛い女の子を、一人で帰すわけにはいかない。それに、まだ少し、羽場ちゃんと話がしたい」

か、可愛い?
私と話がしたい?
その言葉に、胸がドキリとした。
いやいやいや、十分に話したじゃないか。
川北さんのいなくなったのこのタイミングで、こんな言い方をするのは反則だと思う。どうしたって、意識しちゃうじゃない……


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