上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
タクシーに乗り込み、行き先を告げると、しばらく沈黙に包まれた。窓の外の景色を眺めていると、不意に三上さんが話しかけてきた。

「羽場ちゃん。さっきは俺の話で泣かせちゃって悪かったな。その涙の意味は……うん。俺の都合の良いように捉えておく。ありがとう」

「捉え方は自由ですからね。でも……前は話そうとしなかったことを、なんで今日は話してくれたんですか?」

「うーん……あのことを知ってるやつは会社に複数いるし、羽場ちゃんもどこからか耳にすることもあるだろうしね。それに……俺の元婚約者は、うちの会社の秘書課にいたんだ。と言っても、その時のことがきっかけで退職したけど」

「えっ?」

「山崎さんって、秘書課だろ?羽場ちゃんとはすごく仲がいいみたいだし、遅かれ早かれ、そこから聞くかもと思ってね……っていうか、もう聞いてたか?」

「えっと……」

「図星?」

「そ、そこまでは詳しく聞いてないですけど、なんとなくは聞きました」

「そっか」

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