上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「……どうなんだろうな」

まだ未練があるんだろうか……
三上さんのその返答に、胸がズキリと痛んだ。

三上さんはまだ、元婚約者だった人を忘れられないのだろうか……

そう考えて、ハッとする。
まだ忘れられていないとしても、私に関係のないことだ。 
ここのところ、三上さんがちょいちょい私にかまってきたり、興味があるなんてことを言ったりしてくるから、ちょっと混乱してるだけだ。

「でも、まあ。今は羽場ちゃんを知るのに大忙しだから、それどころじゃなくなってる」

ニヤリと意地悪い笑みを見せる三上さん。
だから、そういう発言が私を混乱させるんだって!!と抗議をしたいけど、それを言えば自分が三上さんに気があるって言ったもの同然だと、口をつぐむ。

「……も、もう。なんですかそれ」

恥ずかしさやら、妙な焦りやらで、三上さんの方を見られなくて俯く。
よかった、ここが薄暗い車内で。こんな顔、見られたくない。絶対に赤くなっているはず。



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