上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
明日香は決して急かそうとしないで、にっこり微笑んでこちらを見ている。

「うん。それでね……好きになったかもしれない」

俯いたまま、やっとの思いで本音を伝えた。
けど……この沈黙はなんだ?何か反応して欲しい。

そっと明日香の方を窺うと、明日香はさらに笑みを深めて……って、目が潤んでない!?

「えっ?あ、明日香?ちょっと、どうしたの?」

「……よかったって思って……」

「え?」

「だって、学生の頃以来、しおりが他人に興味を持ったり、心を開いたりしたのって私だけだったでしょ?そのしおりが、他人を……しかも男の人を好きになっただなんて、こんな嬉しいことはないわ」

そんなストレートに言われると、恥ずかしさが倍増するんだけど……
でも、明日香は私のことでこんなにも喜んでくれるんだ。そう思うと、心がじんわりと温かくなる。



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