上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「ありがとう。でもね、三上さんは過去のトラウマなのか、人を好きになることはないって言ったのよ。だから、どうこうしたいとは思ってない。こんな気持ちになれたってだけでも、私にとってはよかったことだから、これでおしまい」

「ちょっと、何言ってるのよ。どうしてそうなるのよ」

「どうしてって……だって、どうしようもないし……それに、私のプライベートなことを知られて、また一線引かれちゃったら辛いから」

「しおり……言いたいことは山ほどあるけれど、とりあえず、一番言いたいことだけ」

明日香は息を深く吸い込むと、ギロリと私を睨みつけた。慣れている私でも、おもわずビクッとしてしまうような迫力だ。

「ばっかじゃないの!」

「は、はい!?」

何を言われるのかと身構えていると、返ってきたのは単純明快な一言。こんなにわかりやすい一言なのに、何を言っているのか訳がわからなくなる。

「しおり、あんたはバカだよ。あの哲平さんと恵さんの愛娘とは信じられないぐらい、大バカよ!!」

「ひ、ひどい。バカバカ言わないでよ」

「ううん。やめない。しおりは大バカ者よ。あんた、いつまで引きずるつもりなの?そんなこと言ってたら、しおりは両親のことも地元の友人達のことも、最初から知っている人とじゃないと付き合えないってことじゃない。そんな相手って言ったら、もう地元の人しかいないじゃない」

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