上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「おう、明日香。いつもありがとな。今回も、コイツが帰るように動いてくれたんだろ?」

「まあ。でも、しおり抜きで、私一人で遊びにきてもいいぐらいなんだけどね」

「嬉しいこと言ってくれるぜ。なあ、恵」

「ほんと。明日香も、あたしらの娘のようなもんだし」

「ありがとう。一緒に来てよかった。ねえ、しおり」

「う、うん。哲平さん、恵さん。なかなか帰ってこなくてごめんね」

「……おい、しおり。おめぇさあ、一番大事なものってなんだ?」

「え?えっと……」

「迷うことじゃねぇ」

哲平さんの鋭い声に、ビクッと体が揺れた。久しぶりすぎて、心の準備ができてなかったわ。

「そんなもん、仲間に決まってんだろうが!!」

「は、はい」

「家族にダチ。金じゃ買えねえし、一日二日みてぇな、短い時間じゃ作れねぇ。長い時間かけて関係を作った仲間こそ、一番大事なもんに決まってんだろうが!!」

なんだろう……いつもいつも、その弾けた見た目や言葉遣いに、どこかうんざりしてだけど、今の言葉を聞いて、帰省に対する自分の言い訳の方が恥ずかしく感じた。


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