上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「あれ……」

予想に反して、オフィスからうっすら灯りが漏れていた。
誰だろう?

そっと扉を開けて中を覗く……見えた光景に、目を疑った。

「えっ?」

静まり返ったオフィスの中で、私の漏らした小声は相手にしっかり拾われたようで、ピクッと肩を揺らすのが見えた。そして、そのままゆっくりと振り向いた。

「うわっ、羽場ちゃん。こんな時間にどうした?」

「ど、どうしたって、三上さんこそ、こんな時間になんでオフィスにいるんですか?」

「あぁ…………」

気まずそうに頭をかく三上さん。もう片方の手には、何かの書類を持っていた。

「えっと……私の見間違いでなければ、さっきの三上さん、すごく真剣に仕事をしていましたよね?」

そうなのだ。さっき見た三上さんは、就業時間には見たことのないような、真剣な表情でパソコンに向かっていた。なぜこんな時間に……?


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