上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「見られちゃったかあ……」

「もしかして、いつもこうやって、誰もいなくなったオフィスで仕事をしてるんですか?」

「ん?いやあ、まあ、ね?」

なんとも歯切れの悪い物言いだ。それもまた、普段の三上さんらしくない。

「ところで羽場ちゃん。羽場ちゃんはどうしてもどってきたの?」

「あっ、そうでした。自宅の鍵を忘れてしまったようで、取りにもどったんです」

「えっ?でも遅くない?羽場ちゃん、定時で上がったよね?家、そんなに遠くなの?」

「今日は寄り道して、ご飯を食べていたので遅くなりました」

「一人で?」

「そうですけど」

「羽場ちゃん、お一人様平気なんだ」

「そうです。で、なんで三上さんは、こんな時間に仕事をしているんですか?」

「……察して」

「無理ですね。わけがわからないですから」

「じゃあ、見なかったことにして」

「無理ですね。私、曲がったことが嫌いなので、見たものを見なかったことにはできかねます」

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