上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「羽場ちゃん……」

あっ、そうだった。鍵が見つかったことに安心して、三上さんのことを忘れていた。
顔を上げると、なんとも言い難い表情をした三上さんがいた。

「なんでしょうか?」

「ありがとう」

「えっと……何に対してですか?」

「いろいろ聞かないでくれて」

「ああ。そのことでしたか」

「って……羽場ちゃんの場合、聞かないでいるっていうより、興味がないっていう感じなのかな」

苦笑する三上さん。
なんか……やさぐれてる?

「さっきも言いましたけど、普段は不真面目な三上さんが、誰もいなくなったオフィスで、一人真剣に仕事をしていたんですから、そこはすごく気になってますよ」

「そっか。羽場ちゃんって、いい子だね。俺、こんないい子、あんまり会ったことないな」

「何言ってるんですか。そんなふうに言われると、なんだかむず痒くなるんですけど」

「ははは。そういうところもいいね。羽場ちゃんといると、なんかホッとするわ」

「よくわからないですが……悪いことではなさそうですね?」

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