上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
えっと……まだ情報処理が追いついていないんだけど……
でも、こんなインパクトのある黒歴史を見せられたら、悩んでいたことは些細なことだったのかもと、感覚が麻痺してくる。

「顔合わせはともかく……次期社長ともなると、式も披露宴もそれなりの規模になるの?そこに、親族とか友人とか……悪目立ちしかねないというか……」

「後を継ぐ約束はした。でも、今はまだ、あくまで人事の人間だ。お披露目のようなことをする必要はない。そこは親父も納得している。本人達だけで式をしてもいいし、身内を招待するぐらいのものでもかまわないって」

「そうなんだ」

「他は?」

「……大きな仕事を任される涼介さんを、私なんかが支えられるかどうか……」

言い終わらないうちに、再び涼介さんは私を抱きしめた。それは逃がさないとでもいうように、すごく力強く。
おもわず息を止めて、涼介さんの想いを受け止めた。

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