上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
エントランスで私達を見てくる視線は、もう気にならない。

「しおり。今日の昼、迎えに行く。一緒に社長室に行くよ」

「わかった」

途中で涼介さんと別れて1人になった時、明日香に声をかけられた。

「しおり、うまくいってるみたいね」

「うん。今日のお昼に、社長に挨拶をすることになった」

「そう。よかったあ。しおりが幸せそうで」

「ありがとう。明日香がいてくれたから、逃げずに向かい合えたんだよ」

「じゃあ、しおりが落ち着いたら、今度は私に協力してよね」

「えっ?」

「また帰省する時は連れていってよ。夫婦での帰省でも、ついて行くわよ。会いたい人がいるから」

じゃあねと手を振って、颯爽と去って行く明日香。

って、え!?
会いたい人って……もしかして、向こうに好きな人がいるってこと!?
これまでの帰省で顔を合わせた、同年代の男の子を思い浮かべる。ほんの少し会話をしたぐらいの人達も……って、アイツか!?

明日香の思わぬ告白に驚いたものの、それも明日香らしいかって納得する。



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