上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「冗談、冗談。時間があったから、レストランに問い合わせたんだ。予約の時間より早くてもいいって言うから、哲平さん達と相談して、早目に始めてたんだよ」

ですよねぇ。
これは5分や10分でできる仕上がり具合ではない。

「はあ……」

涼介さんがため息をつく。
怒っちゃいけないと、彼の腕をぽんぽんと叩いた。
涼介さんはわたしと目を合わせると、やれやれという顔をした。

「おう、涼介。おめぇも飲むぞ」

もう一つ小さくため息をつくと、涼介さんは吹っ切ったのか、グラスを手にした。

こうして、お祝い会とは名ばかりの宴会がスタートした。
片付けはお店側がやってくれるとわかっていはいても、異国の地で6人そろって恥を晒すわけにもいかないと、自然とセーブしていた私。涼介さんは、父親達に逆らうわけにもいかず、まるで私の身代わりのように、かなりの量を飲まされていた。



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