上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「ごめん、しおり。本当にごめん。俺、やれることは何でもやるから、お願いだから生んでくれ」

真剣にそんなことを言うから、驚きを通り越して呆れてしまった。

「涼介さん。まさか、私がおろすかもとか思ってるの?」

「お、思ってない。思ってないけど……」

涼介さんは、可哀想なぐらいに狼狽出した。

「そんなわけないでしょ。そろそろ子どもが欲しいねって言ってたんだし。嬉しいに決まってる」

涼介さんが、お腹に気をつけながら、さらに力を込めて抱きしめてくる。

「おろすわけなんてないでしょ」

「しおり、わかってる。俺もものすごく嬉しい」

「うん。知ってる。何気に涼介さんは子どもが好きだしね。ごめん。あの時の酔った涼介さんが、あまえたで可愛かったから、ちょっと意地悪をしただけだよ」

そんなふうに言ったせいか、涼介さんが私の首元にすりすりと額を擦り付けてくる。くすぐだたいのに、時折、唇を這わせてくるからゾクリとしてしまう。
しまった、私は何か、自身を追い詰めかねないスイッチを押してしまったようだ。



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