エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
すぐさま私の発言を遮った宏希さんは、再び私を強い視線で射る。
こんなに至近距離で見つめられると、愛されていた頃のことを思い出して胸が張り裂けそうになるのに。
「頼みがあるんだ」
「はい、なんでしょう」
こんなにお世話になっているのだから、頼みのひとつやふたつなんてことはない。
「今日は、忍と呼ばせてくれないか?」
「え……」
「俺のことは宏希と呼んでほしい」
予期せぬ提案に心臓がバクッと大きな音を立てる。
「忍との日々を思い出したいんだ。ふたりがここに来てから、俺が忘れた三年余りの時間がとてつもなく充実してたんだろうなと感じて、思い出したくてたまらない」
「宏希さん……」
彼の苦しげな表情を見ていると、自然と名前が口から出てきた。
「忍……。ごめん。つらいのは俺じゃなくて忍なのに」
私は首を横に振った。