エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「そっか」
宏希さんは、座った私の隣にぴったりとくっつくように腰を下ろした。
「ここ、景色がいいね。この街が自分のものになったみたいだ」
「そうですね」
なんて平然とした顔をしているが、呼吸が浅くなるほどドキドキしている。
それから彼はしばらく押し黙っていた。
緊張気味の私はチラチラ宏希さんの横顔を眺めているだけ。
しかし、それだけで幸せだった。
またふたりの時間が戻って気がしたからだ。
幸福に包まれて穏やかな時間を過ごしていると、宏希さんは突然私の膝に頭をのせて寝転がる。
その様子に、息が止まった。
思い出したの?
ここでこうしてよく膝枕をねだられていたのだ。
「宏希、さん?」
「急にごめん。なんとなくこうしていたような気がして……」
彼の記憶の引き出しが、少しずつ開こうとしているのを感じる。
「そう、ですね。よく膝枕をしてました」
「俺、忍には随分甘えてたんだな」