エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
パタンと本を閉じた宏希さんは、私と視線を絡ませる。
「でも、忍の言った通りだ。俺の気持ちがいい加減では、押しつけがましい愛になって迷惑だ。ただ……今はふたりと一緒にいるとたまらなく心地いいし、忍のことを好きだったこともよく理解できる」
「宏希さん、あのっ……」
「焦らないで時間をかけたい。思い出せるならそうしたい。けど、思い出せなくても……。いや、ごめん」
途中で言葉を濁した彼は、なにを言おうとしたのだろう。
私が以前『押しつけがましい愛』だなんて拒否したことが、これほど彼の心に刻まれているとは知らなかった。
しかし、そう言うしかなかった。
責任という言葉で彼を縛りたくない。
「おっ、この本、和宏くんにいいんじゃない? 絵で描いてあるからわかりやすい」
サッカーボールをもらってからすっかりサッカー選手になる気満々の和宏は、あれからちょくちょく宏希さんに教えてもらっている。