エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

でもそれができないのは、彼の両親に受け入れてはもらえないだろうという思いが強い。

それに加えて、私の勝手な判断で産んだ子の責任を、記憶のない宏希さんに負わせたくないという気持ちもある。

けれど……彼と一緒に暮らしていると、和宏に対する態度が責任云々なんていう言葉では片付けられないようなものだと感じ始めている。

本当に和宏のことがかわいくてたまらないという接し方は見ている私まで心が和むし、和宏は和宏で完全に彼のことを信頼していて、最近では一緒にお風呂に入ると言って聞かない。

『いいよ』とふたつ返事の宏希さんに任せると、バスルームからははしゃぐ声が聞こえてくる。

傍から見れば、完全に親子だ。


「そんなに簡単じゃないんだよ」


宏希さんはそれだけ言うと、寿司を口に運んだ。

私が『押しつけがましい愛』という言葉で宏希さんをけん制したのが、彼の悩みを深くしているのだろうか。
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