エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
でも、宏希さんが言う通り、やはり簡単ではないのだ。
「社長、また見合い写真持ってきたんだろ? ……痛っ」
再び沖さんが話しだすと、宏希さんが彼の足を蹴ったらしい。
まだお見合いの話があるのか。
レーブダッシュという大きな会社の跡取りで、結婚適齢期なのに彼女もいないのだから、周りがやきもきするのは当然か。
「お前、例の仕事今週中に成果上げろよ」
「今週中なんて無理に決まってるだろ。暴君め」
憎まれ口を叩きあっているふたりの軽快な会話が懐かしくて、心地いい。
「そういえば波多野。うちの部の手伝いしない?」
唐突な沖さんの話に目を丸くする。
以前宏希さんからも復帰しないかと提案があったが、どこか現実的ではないと思っていた。
和宏を優先に考えたいので、以前のような勤務時間では無理だ。
チラッと宏希さんに視線を送ると「うーん」とうなっている。