エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
彼は、私の耳元に口を寄せて甘い声でつぶやく。
そして、絶対に真っ赤な顔をしている私に「今日はありがとう。気をつけて帰って」と、もう一度お礼を口にしてから社屋へと消えていった。
「は、歯止めがきかなくなるって……?」
こんなことを言うなんて、なんだか宏希さんとの距離が縮まってきていると感じる。
記憶は戻っていなくても、また新しい歴史を積み重ねているせいだろうか。
倒れたとき『俺ともう一度始めてくれないか』と言われた。
私はとっさに拒否してしまったが、もしまた彼と同じ道を歩けたら……と期待するのは、やはり彼を振り回すことになる?
しかし、なにがあっても和宏のことが最優先。
和宏の存在を祝福されないのなら、いくら宏希さんが私たちを愛してくれたとしても、生涯にわたり寄り添うことは難しい。
和宏には、自分を否定されるという経験をしてほしくない。