エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
ここに来る以前は、家事は手抜きだらけだったとはいえ、朝から夕方まで働いていてもなんとかなっていた。
週に何度か、しかも半日の勤務ならまったく問題ない。
レーブダッシュで働いて、宏希さんからのお給料は止めてもらおうと考えている。
「ママ……」
話した途端、和宏は眉尻を下げて私に抱きついてくる。
「どうしたの? 嫌?」
尋ねてもなにも言わず、私の首に回した手に力がこもるだけだ。
「あのね、週に何回かだけで、和宏が幼稚園から帰る時間は戻ってきてるよ。お迎えも行ける」
「……うん」
安心させたくて伝えたものの、返事はかんばしくない。
彼はそれからしばらく黙って私にくっついていた。
なにに不安を感じているのかわからず、ただ和宏を抱きしめるだけ。
彼にしてみれば今まで通りの生活が続くだけなのに、なにがいけないのだろう。
そうこうしているうちにチャイムが鳴り、宏希さんが帰ってきた。
すると和宏はタタタッと駆け出し、部屋に戻ってしまった。