エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~


「緊急事態なんだから気にしない。アポもなかったしね」
「はい」


彼は私を励ますように肩をポンポンと二度叩く。


「浅海、得意先みたいですぐに連絡が取れなくて……」

「そんな。浅海さんにまでご迷惑はかけられません」


けいれんを起こしたと聞いたときは血の気が引いたが、もうひとりで大丈夫だ。


「浅海が迷惑だと言うと思う? もっと、頼ってもいいんじゃない? アイツもそれを望んでると思うよ」

「沖さん……」


宏希さんに再会するまでずっとひとりでやってきたからか、上手な頼り方がわからない。

宏希さんも『申し訳ないなんて思わずに、俺を頼ってくれないか』と言ってくれたのに。


「俺も頼りないけど力になるから。仕事はしばらく心配するな。和宏くんが元気になったら、またよろしく」

「はい。ありがとうございます」


沖さんは和宏が病室に移るのを見届けてから戻っていった。


「和宏。頑張れ」


代わってあげたいのに代われないのがもどかしい。
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