エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

発熱は今までに何度も経験したが、さすがにけいれんと聞いたときは心臓が止まりそうだった。


小児科病棟に移ってから一時間。
ベッドサイドのイスに座り和宏の様子をうかがっていると、ノックの音がしてドアが開いた。


「忍」
「宏希さん……」


走ってきたのだろう。息が上がっている。


「沖から連絡をもらって。けいれん起こしたんだってな。容態は?」


立ち上がった私の横まで歩み寄った彼は、心配そうに和宏の顔をのぞき込んで眉間にシワを寄せている。


「熱性けいれんだったようです。発熱のときのけいれんは珍しいことではないですし心配いらないと。でも、マイコプラズマに感染していて肺炎を起こしかけているそうで。気づいてやれなかった……」

「今朝、大好きなバナナを残してたね。でもそれ以外は普通だったじゃないか。俺もわからなかったよ」


彼は優しい声色で話しかけてくる。
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