エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「……はい」
「君は疫病神か? 宏希は順調に私の跡を継ぐ準備をしていたのに、君と付き合い始めてなにもかもが悪い方向に進み始めた。こんな事故まで……。いい加減にしてくれ」
疫病神って……。そんな……。
鼻の奥がツーンとしてきて、なにも言わずに頭を下げて病室を出た。
号泣してしまいそうだったからだ。
すると、廊下に難しい顔をした沖さんが立っていて、両親に背を向けた瞬間こぼれた涙を見られてしまった。
「波多野」
「沖さん、来てくださったんですね。先ほどはありがとうござい――」
「そんなこといいから。こっち」
連絡を取ってくれたお礼を言おうとすると、彼に手を引かれて、ナースステーションの隣にある待合室のようなスペースに連れていかれる。
彼は私をベンチに座るように促して、自分も隣に腰を下ろした。
「浅海の意識、戻らないんだな」
「……はい」
「波多野のこと、かばったんだってな。アイツは波多野を守りたかったんだと思うよ。だから後悔してないはずだ。波多野は疫病神なんかじゃない」