エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「沖さん、ご迷惑をおかけしました」

「いやいや、全然。元気になったんだって?」

「はい、おかげさまで」


営業統括部の人たちは皆、私が未婚のシングルマザーであることを知っているが、誰も父親について深く追及してこない。

だからとても助かっている。

ただ……和宏の件で沖さんが突然仕事を抜けたり、そのあと宏希さんも病院に駆けつけたりしたことで、どちらかが父親なんじゃないかという噂が立ち始めてしまった。


廊下ですれ違う別の部署の人たちが、私を見てひそひそ話をしている。

父親を明かさないからにはそうした噂を立てられることも覚悟の上で和宏を産んだのだから、私はなにを言われてもいい。

しかし、宏希さんや、まったく関係ない沖さんにまで火の粉がかかるのは困る。

それに、噂が広まって社長の耳に入ったら……。


レーブダッシュに復帰したのはやはり間違いだったのだろうか。

私がなにか言えば余計に事態は大きくなりそうな気がして、ため息をつくだけでなにもできなかった。
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