エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
ピリピリした空気が漂い、息が苦しい。
「私はただレーブダッシュのお仕事が好きで。特に深い意味はありません」
どう答えたら一番差し障りがないかなんてわからない。
きっとなんと言っても許してはもらえないのだろう。
せっかく調子を取り戻してきたところなのに、また辞めなくてはならないのか……。
「子供がいるそうだね」
やはり耳に入っているんだ。
「……はい」
「宏希の子だとくだらん噂が飛んでいるらしいが、言語道断。アイツには相応の嫁を用意する。はっきり言って迷惑だ」
相応の嫁、か。
よい家柄の人という意味なのだろうけど、宏希さんはそんなことを気にする人じゃない。
「金を渡したはずだが。受け取っただろ」
そう言われて視線を向けると、眉尻が上がった社長の顔が飛び込んでくる。
まるでお金で別れを選択したと言われているようでつらい。