エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「お父さまが、許してはくださいません」
「大切なのは忍と和宏だ。必ず説得する。俺を信じろ」
真摯な視線を向けられて強い口調で諭されたら、うなずくしかない。
「宏希さん……。はい」
私が返事をした瞬間、熱い唇が重なった。
高ぶった気持ちを落ち着けたあと、宏希さんと一緒に営業統括部に戻った。
部署に入った途端、沖さんの腰が浮いたのがわかる。
おそらく、坂田さんに社長室に連れていかれたことを聞いて、彼が宏希さんに連絡してくれたのだろう。
「悪い。ちょっと波多野借りてた」
「まあ、専務さまがされることでしたらいいですけど」
茶化してくれるのは沖さんの優しさだろう。
きっと、皆が不思議に思っている。
「はー、よかった。俺はまたあの噂のことで呼ばれたのか――」
「坂田」
あからさまに顔をしかめた沖さんの様子を見て、坂田さんがまずいことを言ったと悟ったらしい。