エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「お父さまが、許してはくださいません」

「大切なのは忍と和宏だ。必ず説得する。俺を信じろ」


真摯な視線を向けられて強い口調で諭されたら、うなずくしかない。


「宏希さん……。はい」


私が返事をした瞬間、熱い唇が重なった。



高ぶった気持ちを落ち着けたあと、宏希さんと一緒に営業統括部に戻った。

部署に入った途端、沖さんの腰が浮いたのがわかる。

おそらく、坂田さんに社長室に連れていかれたことを聞いて、彼が宏希さんに連絡してくれたのだろう。


「悪い。ちょっと波多野借りてた」

「まあ、専務さまがされることでしたらいいですけど」


茶化してくれるのは沖さんの優しさだろう。
きっと、皆が不思議に思っている。


「はー、よかった。俺はまたあの噂のことで呼ばれたのか――」
「坂田」


あからさまに顔をしかめた沖さんの様子を見て、坂田さんがまずいことを言ったと悟ったらしい。
< 228 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop