エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「す、すみませ……」
「いや、いいんだ。俺の子かもしれないという噂は間違ってるから」
「そうですよね。そんなわけないですよね」
宏希さんの発言に安心したような笑顔を見せた坂田さんの目がこぼれ落ちそうになるのはそのすぐあとのことだった。
「〝かもしれない〟じゃなくて本当のことだ。波多野の子は俺の子だ」
潔すぎるカミングアウトに、静寂が訪れる。
私も腰が抜けそうなほど驚き、視線が定まらなくなった。
「男前だな……」
沖さんがボソッとつぶやくと、「当然」と宏希さんは涼しい顔だ。
「ということで、近々結婚するから。波多野に邪な考えを持って近づくヤツがいたら容赦しない。ひねりつぶす。仕事するぞ。坂田、例の契約結べたらしいな」
大きな爆弾を落とした宏希さんが、一番冷静に坂田さんと仕事の話を始めた。
他の人たちはしばらく呆然としていたが、再び仕事に戻った。
「よかったな」
私のところに書類を持ってきた沖さんが小声でささやく。