エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
速水先生と挨拶をして園を出たあと、手をつないだ和宏に話しかける。
「和宏はすごいね。お友達、うれしいと思うよ」
褒めると彼は白い歯を見せる。
「ママもうれしい?」
「ん? 和宏に優しくされるとすごくうれしいよ」
「僕じゃなくて、浅海さんが助けてくれると」
思いがけず宏希さんの名前が出て、目がキョロッと動く。
「……うん。うれしいよ。浅海さん、優しいもんね」
「うん!」
笑顔での大きな返事を聞き、頬が緩む。
近い将来、宏希さんが父親だと打ち明けられると感じた。
夕飯は、和宏のリクエストで大好きな唐揚げ。
大量の唐揚げを揚げていると、宏希さんが帰ってきた。
記憶が戻ってからの初めての帰宅でなんとなく緊張が走ったが、揚げ物をしている私の代わりに和宏がすっとんでいき、玄関のカギを開錠してくれた。
「浅海さん、おかえりー」
「ただいま。おー、唐揚げの匂い」
ニンニクを利かせるのでわかったらしい。
宏希さんのいつもと変わらない声が聞こえてくる。