エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「そうだよ。今日は僕が好きなものを作ってくれるって!」
「あはは。いつも好きなものを作ってくれてるだろ?」
そんなふたりの声が近づいてくる。
「膝どうした?」
「ちょっと血が出ちゃった。洋子(ようこ)ちゃんを助けたら、僕が転んじゃって……」
あれっ、助けたのって女の子だったの?
「洋子ちゃんを助けたのか。偉かったな」
そこでリビングのドアが開いて、ふたりが入ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいま」
宏希さんはキッチンに立つ私の目をしっかりと見つめて、微笑む。
互いの心が再びつながった今日は、特別な挨拶の気がした。
「すみません。もうすぐできます」
「ありがとう。和宏くん、その間に洋子ちゃんの話聞かせて」
宏希さんはネクタイを緩めながら、和宏をさりげなく誘ってベッドルームに着替えに向かった。
おそらく、私の調理の邪魔にならないように連れ出してくれたのだと思う。