エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

キッチンに行き、ふたり分の茶葉をガラス製のティーポットに入れお湯を注ぐ。蒸らしている間にカップを二脚出したが、手が滑って落としてしまった。

――ガシャン。


「あっ……」


割れてしまったカップに手を伸ばすと、慌てたせいか破片で指を切った。


「忍、大丈夫か?」


すると、宏希さんが飛んできて私の手を握り、うっすらと血が出ているのを見てためらいなく口に運んで舐める。


「平気、ですから……」


ドキドキして息苦しく、手を引こうとしたが返って強く握られてしまった。

傷は浅かったようで、もう血は止まっている。


「忍はなんでも平気って言うんだな。ずっと、そうやって強がってきたんだろ? もう、俺に手伝わせて。俺が守るから」

「宏希、さん……」


胸に熱いものがこみ上げてきて、声がかすれる。


「忍。好き、なんだ」


そのまま強く腕を引かれて彼の胸に飛び込んでしまった。
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