エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
沖さんが私を安心させるかのようにクスッと笑みを漏らす。
「ありがとうございます」
「困ったらなんでも言え。浅海家のことを宏希に相談しにくいんだったら、俺がそれとなく伝えてやるから」
「はい」
沖さんの優しさが胸に染みる。
「今日はどうする? 帰るなら送っていくぞ」
「いえ、ここにいます」
心配で帰ることなんてできない。
病室には両親がいるので入れそうにないけれど、離れたくなかった。
「そっか。それじゃ、俺も付き合うか」
「いえっ、沖さんはお帰りください」
「浅海の大切な人は俺にとっても大切なんだぞ。病室の前までは行くか?」
「はい」
温かい言葉をかけられて再び涙腺が緩んだものの、ぐっとこらえてうなずいた。
私たちが病室に戻ろうとすると、うしろからドクターとナースが小走りで追い越していく。
そして宏希さんの病室に入っていったので、沖さんと顔を見合わせて走り出した。