エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「忍と和宏が大切なんです。それを失うくらいなら、会社はいらない」
とんでもない覚悟を口にしているのに彼の表情は驚くほど穏やかで、私は彼の選択を素直に受け入れればいいと感じた。
三人で生きていくことこそ、宏希さんの願いなのだと。
もうつまらない意地も張らない、遠慮もしない。
彼の腕に飛び込んで、どんな困難も一緒に乗り越えていけばいい。
どうやらそれで電話を切られてしまったようで、彼はスマホを耳から外し、肩をすくめている。
「宏希さん……」
「おいで」
両手を広げられ、私は思いきり腕の中に飛び込んだ。
「忍。必ず幸せにする。約束する」
「ありがとうございます。私はどうしたらいいですか?」
「えっ?」
「どうしたら、宏希さんが幸せになれますか?」
彼は人生をかけて私と和宏を守ろうとしてくれている。
それなら私も相応の覚悟で、彼を守りたい。
「俺の幸せか……」
体を離して私にまっすぐな視線を注ぐ彼は、うれしそうに頬を緩める。