エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「そっか。本当にありがとう」


彼は隣に座る私をねぎらい、肩を抱く。

記憶がなかった上に、私のほうから消えたのだから罪の意識にさいなまれる必要はないのに、彼の優しい性格からして無理なのだろう。


「でも、今日は酔ってもいいよ。忍が酔ったら、和宏の面倒は俺がみるから」


これが夫婦というものなのかな、なんて漠然と考える。

どちらかが疲れたらバトンタッチしてしばし休憩。

子育てに終わりはないのだから、たまに息を抜きつつやっていくのが理想的なのかもしれない。


「それじゃあ、ちょっと飲んじゃおうかな」
「うん」


彼は私の返事に笑みを浮かべて、白ワインを注いてくれた。


「これ、甘くて飲みやすいですね」

「そうだろ? 沖のおすすめなんだよ。女の子は、こういうのが好きだぞって」

「沖さんが?」


そんな話もするんだ。


「そう。だから今日は忍が飲んで」


宏希さんは空いたワイングラスをテーブルに置いてしまった。
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