エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「えっ、ひとりで?」
「寂しい?」
そう問われても、とっさに返事ができない。
ひとりでは寂しい。
でも、恥ずかしくて言えない。
「俺、今日は大切なことを忍に言おうと思って。酔いたくないんだ」
「大切なこと?」
首を傾げると、彼は一旦リビングを出ていく。
どうしたの?
少し開いたままのドアを見ていると、すぐに戻ってきた宏希さんは、ソファに座る私の前に膝をついて視線をあわせた。
「忍と一緒にいると、少しずつ記憶の欠片が戻ってくる」
彼はなにやら握りしめていた物を私の目の前に差し出した。
「これ……」
「忍に渡すつもりで用意してあった」
それは小さな宝石箱だった。
彼が蓋を開けると、眩いばかりの大粒のダイヤがキラキラときらめく指輪が入っている。
婚約指輪?
用意してあったって……記憶がなくなる前に?
「忍。俺と結婚してほしい。本当はあの日渡そうと思って、レストランを予約してたんだけど、事故に遭ってしまって……。和宏がいるから、ここでごめん」