エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「もちろん、無理やり入り込むつもりはないよ。記憶がなかったとはいえ、俺はずっとふたりを放っておいたわけだし。恨まれても仕方がない」
「恨むなんて……」
「でも、あきらめるつもりはないんだ。時間がかかっても、和宏と家族になりたい」
彼の表情にはこれっぽっちも悲壮感が漂ってはいない。
強い決意と、未来への期待のせいだろう。
「そうですね。ゆっくり進めたらいいですね」
私たちの都合で、和宏にはつらい思いをさせてきた。
それを責められても、甘んじて受け止めるつもりだ。
ただ、この先の未来は絶対に明るいと彼にわかってもらいたい。
宏希さんと一緒なら、必ず幸せをつかめる。
「あぁ。三人で歩いていこう」
口角を上げてささやく宏希さんは、私を抱き寄せてもう一度キスを落とした。
和宏の誕生日は土曜日で、私も宏希さんも朝から張り切っている。
宏希さんが用意してくれた例のシューズを、私が丁寧に梱包してスタンバイ済みだ。