エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

オムライスのたまごにナイフを入れ、とろとろのそれが流れ出すと、和宏が手を叩いて喜んでいる。

裕福とはとても言えない生活の中で、ちょっとした楽しみだったこのオムライス。この先もずっと食べ続ける気がする。

和宏は欲張って唐揚げも口の中に放り込むので、宏希さんがずっと肩を震わせている。


「和宏くんのは取らないから、ゆっくり食べな」


そうは言われても、好きなものを目の前にしてはセーブが利かない。

たっぷり堪能して、ケーキを切り分けた頃には、「お腹いっぱいだー」と叫んでいた。


でも、ケーキは別腹らしい。

いちごにカプッとかじりついた和宏に優しい眼差しを向ける宏希さんが、私にチラッと視線を送ってから口を開く。


「和宏くん。お父さん……いてほしい?」


彼がこんな質問をしたのは、少しずつ父親としてのアプローチをしていこうと話しあったから。
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