エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

私は一旦今の仕事を止めて、坂田さんと一緒に会議室に向かった。


「沖さんはなんと……」


持ち込んだパソコンを立ち上げながら尋ねると、九十度の位置に座った坂田さんは浮かない顔をしている。


「説得力が足りないとひと言。クライアントが食いつく資料を作れと」


そんな抽象的?

資料を見ると、新たなスポーツ用品のチェーン店との契約資料のようだ。

契約してしまえばそれぞれの店舗をリテール営業部がフォローするが、本部との交渉は営業統括部が行う。


「波多野さんに見せれば、なにが足りないのかすぐに指摘してくれると言われました。俺、リテールのときはそこそこの成績を残してたのに、ここに来てからは叱られてばかりで……」


肩を落とす坂田さんを見て、少し気の毒に思う。

営業統括部の求める水準は高く、他部署で優秀と言われる人でもここに来ると叩きのめされることも多いのだ。
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