エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「私は……疫病神かもしれません。ですが、私にも大切なものがあります。それは守り通します」
和宏も、宏希さんとの三人の生活も。
以前の私なら、きっと動揺して引いていただろう。
けれど、宏希さんは私と和宏との生活をはっきりと選んでくれたし、和宏が宏希さんと一緒にいたいと望むなら、それをあきらめるつもりはない。
「ふてぶてしい女だ。専務はだまされている」
「なにをだますと言うのでしょう。専務の目は、私の嘘を見破れないほど節穴ではありません。失礼します」
啖呵を切って離れたが、心臓がバクバク音を立てている。
でも、強くなりたい。
宏希さんは私たちとの生活を守るために必死に動いてくれている。
私も、三人の生活を守るためにもっと強くならなくては。
「笑顔、笑顔」
幼稚園にお迎えに行く前に、買い物を済ませないと。
私は佐藤さんの嫌みを頭から追い出して、顔を上げて歩いた。