エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~

「いきなりお邪魔はできないな。でも、レストランで一緒に食べない? 実はママと一緒の会社で働いてたんだ。久しぶりだからお話ししたいんだけど……」


なに言ってるの? 私は話なんてない。


「うん、いいよ!」


和宏が威勢よく返事をすると、宏希さんは私に視線をあわせる。


「お誘いしてもいいですか?」
「いえっ、失礼します」
「あなたを捜していたんです」


そう言われた瞬間、胸になにかがこみ上げてきて言葉が出てこなくなった。

私を捜していたの? どうして?


「ねー、ママ、お腹空いたよ。おじちゃんと一緒に行こうよ」
「でも……」
「もう我慢できないよー。オムライス食べたいよぉ」


和宏の甘えた声に観念してうなずいた。

近くの駐車場に停めてあった車に私たちを乗せた宏希さんは、ごく普通のファミレスに入った。

彼がファミレスを利用しているところは見たことがないが、和宏がいることに配慮してくれた気がする。
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