エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
「疲れてるだろ? あそこの自販機でジュース買ってきてほしいな。俺はスポーツ飲料、ふたりは好きなもの」
和宏にボールを蹴り返しながら、ポケットから素早く財布を抜き、丸ごと私に預ける。
「えっ、ジュースくらい私が……」
「今日、連れ出したお詫び。和宏くん、うまいなぁ」
和宏から蹴り返されたボールが少しずれたところに行ってしまったのに、彼は褒めながら追いかけていく。
お詫びって。
それはこっちのセリフだ。
しかも、ポンと財布ごと渡されて戸惑いを隠せない。
しかしこういうところ、ちっとも変わっていない。
付き合っていた頃は一緒に買い物に行くと全部支払ってくれたし、支払いのときに自分がいられないとこうして私に財布を預けた。
記憶は戻っていなくても、生活習慣は変わっていないのかな……。