リペイントオレンジ🍊


酒に飲まれて、もしかしたら勢いでとんでもない事になっていたかもしれない。

……もちろん、拓也はそんな人じゃないって思ってるけど、私が知ってる拓也はもういないから。


気を引き締めなくちゃ、もう24歳。
自分の行動に責任を持って生きないと。


『それから……、責任は取らないからな』

「あ!そうだ。その、名刺にも書いてあったんですけど、責任って……なんの事ですか?すみません、昨日の最後の方の記憶が抜けてて」

『……覚えてないならいい。そのまま忘れろ。永遠に思い出すな』

「え、永遠に……って私、そんな壮大なこと言いましたか!?」


逆に気になって仕方ない言葉が帰ってきて、電話口で唸る私に、菅野さんは小さくため息をこぼした。



『思い出しても、お互い良いことはない』

「……それは、どういう」

『俺とお前は、この先何があろうとどうにもならないってことだ』

「……??」

私と、菅野さんがこの先……どうにもならない。それって、"知り合い"から進展しないってこと?
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