秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「あのね……」「夏瑛……」
声が揃った。
夏瑛は、靭にいちゃんから先に言って、と促した。
「いや、あのさ、夏瑛は、疑ってたのか? おれのこと」
「ううん。浮気されたなんてぜんぜん思わなかったよ。でも……」
「でも?」
「でも、もしかしたら……他に好きな人ができたってことなのかな、とは思った」
靭也は足を止めた。
外灯が足元を照らしているけれど、表情までは見えない。
光に誘われた蛾がふらふらと目の前を通りすぎていく。
「夏瑛は……おれのこと、そんな男だと思ってたのか? 他の女と寝て、その後で何食わぬ顔で夏瑛と会うような」
靭也はあきれたようにそう吐き捨てた。
「だって、ものすごく綺麗で、それで……大人の雰囲気の人だって聞いたから、靭にいちゃん、わたしなんかじゃ、やっぱり物足りないのかなって……思って」
声が揃った。
夏瑛は、靭にいちゃんから先に言って、と促した。
「いや、あのさ、夏瑛は、疑ってたのか? おれのこと」
「ううん。浮気されたなんてぜんぜん思わなかったよ。でも……」
「でも?」
「でも、もしかしたら……他に好きな人ができたってことなのかな、とは思った」
靭也は足を止めた。
外灯が足元を照らしているけれど、表情までは見えない。
光に誘われた蛾がふらふらと目の前を通りすぎていく。
「夏瑛は……おれのこと、そんな男だと思ってたのか? 他の女と寝て、その後で何食わぬ顔で夏瑛と会うような」
靭也はあきれたようにそう吐き捨てた。
「だって、ものすごく綺麗で、それで……大人の雰囲気の人だって聞いたから、靭にいちゃん、わたしなんかじゃ、やっぱり物足りないのかなって……思って」