秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 美岬の言葉が脳裏によみがえる。

 ――欲しかったら、自分の手でつかみ取らなきゃ。男がリードしなきゃならないってことないんだから。

 夏瑛は、これまで胸の奥に仕舞い込んでいた思いを口からほとばしらせた。

「確信が欲しいの。自分が靭にいちゃんの彼女だっていう……」

 顔をあげてまっすぐに靭也の眼を見た。

 うまく伝わるからわからなかったけれど、日ごろ胸の奥でくすぶっていた思いを必死でぶつけた。

「わたし、もう、ずっと準備できてた。……靭にいちゃんと……」

 その言葉は靱也の心に届いた。
 夏瑛の言わんとするところを察して、靱也はかすかに上ずった声で囁いた。

「これから……部屋に来るか」

 夏瑛は靭也から視線を外さずにしっかりと頷いた。
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